未公認なんですぅ:リアル書店に向く本とそうじゃない本って、あるよな、きっと


こう書房の編集者の方が、自ら作った『自分の企画を本にしよう! 〜出版社に採用される「企画書&サンプル原稿」はこうつくる〜』という本について、「リアル書店ではどこに置かれていいかわからず、ネット書店のほうが売れてる」という感想を述べていた。これを読んで色々考え出したら長文になってしまった。いかざざっと書いてみる。

※スミマセン、私はこの本を読んでません。ついさっき注文しました・・・bk1で(笑)。なのでここから先は、「内容は見てないけど企画内容や装丁をWeb上で見ただけ」で話を進めてしまいます。

たしかに、自分がこの本の担当だったとして、例えばどこに置いてもらうかと考えると・・・微妙に本籍地がない。大型書店を思い浮かべて、これだと「ビジネス書」のフロアで、「企画書・レポートの書き方」みたいな本が並んでいるところにいくのか?それとも「文芸書」のフロアで「自費出版・作品公募ガイド」みたいな本が並んでるところにいくのか?


本当は、いま類書として併売してもらったほうがいいのは、講談社現代新書の『週末作家入門』だと私は思う。

週末作家入門
広川 州伸著
日々の苦労こそ「ネタ」になる! 本を書いてみたい、できれば出版もしてみたいと願うあなたの背中をそっと押す本。「二足のわらじ」のすすめ、ビジネス書・経済小説から始めようなど、仕事を持ちながら書くコツを紹介。


出版社の関心を引くには、企画のよさをストレートに、コンパクトに、わかりやすくアピールすることが大切。一般人の出版支援で出版率75%を誇る著者が、あなたの企画を本にする「出版社へのアプローチ法」を教えます。


前者は新書という版型を生かした「入門書・啓蒙書」。後者は具体的事項をしっかり書いた「実用書」だ。この両者を組み合わせると、なんか非常にイイ感じのフェアに見えてこないだろうか。


しかし、実際にこれをリアル書店にお願いするのは意外に大変だと思う。なぜなら「一方はビジネス書で、一方は新書」だから。「あ、それは別のフロアの担当者に言ってください・・・」とか言われて、大きな書店をぐるぐる回るはめになるだろうなぁ、と、つい営業をしてる自分は想像してしまう。もちろん、大きなネタの場合は書店員さんも目をかけてやってくれるし、そうでなくても仕掛けに積極的な書店員さんは乗ってくれるかもしれないけど、現実問題として、「イレギュラーなことをすると管理が大変」という状況に変わりはない。
さらに言うと、営業として回れる書店の数には限界がある。100軒の書店さんに説得してこの置き方をしてもらったところで、残りの全国9900軒以上の書店さんが同じようにやるわけではない。じゃあどうやって案内するのか?

と、考えると、「あー、こういうのはネットのほうがラクだなー」と思ってしまう。だって、リンク貼るだけで「それっぽい棚」が演出できちゃうわけだから。

書店の人に話を聞くと「あれもこれもやりたい、改善したいことはいっぱいある、だけど、物理的に時間がない、スペースがない、人員が足りない、作業量が多い」というフラストレーションを抱えている人が非常に非常に非常にたくさんいる。一体これはどうしたらいいのだろうか?